
なわとびは気軽に始められる全身運動
学校教育にも取り入れられているなわとびは、“ジャンプ→着地→ジャンプ”を繰り返し、下半身や腕、体幹などを使う全身運動。なわと少しの場所があれば短時間で体を鍛えられます。
なわとびとは
昔は稲わらなどで作ったなわで跳んでいたので、 なわとびと呼ばれるようになったとか。子どもの頃に遊んだなわとびですが、今や健康づくりに役立つ運動として注目を浴びています。
なわとびはするとこんなに良いことが
なぜ健康づくりに役立つのか、その理由はこんなにあります。

なわとびによって意図的に体を動かすことで、体力の維持•向上につながります。

跳び続けると有酸素運動となり、大量の酸素が必要となるため心肺機能が向上し、持久力がアップ。

特に太もも前側の大腿四頭筋、ふくらはぎの下腿三頭筋、腕の上腕三頭筋を鍛えることができます。

なわとびは短時間で 1本温を上げ全身の血行を促進するので、肩こり予防に有効です。

連続で跳んだり速く跳んだりすると、体幹が安定。体のバランスが保たれ転倒防止 に効果的。

リズムに合わせて行 う運動は幸せホルモンのセロ トニンの分泌を活性化。ストレス も緩和されます。

毎分120〜160回で行うなわとびと、時速13.8kmのランニングは時間あたりの消費カロリ は同じです。

着地による衝撃は骨への刺激になり、骨をつくる骨芽細胞が活性化して骨量が増え、骨が強くなります。

手と足のリズムを合わせるために脳が活性化。記憶力や思考力が向上するといわれています。

いろいろな技があるので、次から次へと新しい技に挑戦でき、それらを克服すると満足感が得られます。
いつどこで?準備するものは?
なわとびを始める前に押さえておきたいことがあります。
食後やコンクリートの上は避ける
消化不良を避け るため食後は2時間は空けて。 夜行うときは就寝1時間前まで に。コンクリートの上や、芝や草が生えている 場所は不向き。

自分に合ったなわと動きやすい服で
ビニールやワイヤ 、綿、ビーズなど、なわの素材はさまざま。回数や消費カロリーが表示されているものも。回して使いやすい物を選んで。クッション性のある運動靴と動きやすい服装で。女性はスーポツブラ着用がおすすめ。

持病がある人は事前にかかりつけ医に相談
心臓病や高血圧などの持病がある人や、膝や腰 などに痛みがある人は、事前にかかりつけ医に相談を。なわとびの最中は適度な水分補給を心がけて。途中で体調が悪くなったときは中止を。周 りの人になわが当たらな いような配慮も大切。

まずは準備運動
いきなり行うとケガの原因に。始める前に手足の筋肉をしっかりほぐしましょう。
手首足首回し

両手の指を組み、手首を左右に回します。片方の足首を同じ側の手でつかみ、反対側の手の指を足の指の間に入れて左右に回します。反対側も同様に。各10回。
ひじ伸ばし

片方のひじを曲げて頭の後ろに回し たら、そのひじを反対側の手の指で後ろに押して二の 腕をしっかり伸ばし、30秒キープします。反対側も同様に。
太もも前面伸ばし

壁に右手を当て右足で立ち、左手で 左足先を持ってか かとをお尻に近づ けます。太ももの前を伸ばして30 秒キーフ。反対側 も同様に。
アキレス腱伸ばし

片方のひじを曲げて頭の後ろに回し たら、そのひじを反対側の手の指で後ろに押して二の 腕をしっ足を前後に大きく開き、前に出した 足のひざ上に両手を置き、後ろの足 のかかとを床につ けたままアキレス 腱を伸ばして30 秒キープ。反対側 も同様に。
なわの扱い方
なわの扱い方を間違えると、連続で 跳んだり、長く跳ぶことが困難に。
グリップの持ち方
親指は上から伸ばして押さえ、ひと差し指は軽く曲げ、中指·薬指 ・ 小指はグリップを包むように握ります。小指がグリッフからはすれないように。

なわの調節方法
片足でなわを踏み、なわを引き上げてグリップが腰~胸の高さになる ょうに長さを調節。なわとびをし たとき、なわが頭上l015cm離れるくらいが長さの目安。

なわに慣れる
うまく跳べないときは、なわを後ろから前に大きく回し、両足のつま先でなわをキャッチする練習をしましょう。慣れてきたらキャッチをジャンプに変えて。

跳んでみよう
準備ができたら、早速跳んでみましょう。基本の両脚両脚前跳びができたら、2回跳びやグーパー跳びなどさまざまな技に挑戦。
※なわ跳びに限らず、トレーニングは週3回行うと効果的だと言われています。まずは週3回、それぞれ10回1セットで3セットくらいから始めてみましょう。
なわの回し方
- 肩からひじまではなるべく動かさない
- 手首を使って回す
- 腕は体 からあまり離さない
- 手首は腰の脇あ たりで、体より少し前
- 力を入れない

跳び上がり方
- 視線はまっすぐ前に
- お尻は突き出さない
- つま先で地面を蹴って軽く真上に跳び上がり、つま先からおりる
- 着地のとき、つま先とひざは同じ向きに
- ひざ、足首を軽く曲げて着地
2回跳び

- なわを後ろから前に大きくゆっくり回しながら跳ぶ準備をします。
- なわが頭上に来たときに両足を揃えて1回跳びます。
- 両足で着地し、なわが定の前に来たら再度跳びます。
両足前跳び

- なわを後ろから前に回 し、なわが足の前に来たら、両足を揃えてつま先で跳び 上がり、なわを足の下にくぐ らせます。
- 両足で着地し、なわが来るのを待ちます。
かけあし跳び

- なわを後ろから前に回しながら、左足を前に上げ ます。
- なわが下に来たら左足でなわを跳び越え、 左足で篇地し右足を上げます。
- 足を入れ替え、右 足で着地し、左足を上げます。
グーパー跳び

着地のときの足を交互にグー、パーにする跳び方です。
- 両足前跳びをして両足を閉じて着地します (グー)。
- 次に跳んだときは両足を左右に開いて着地します(パー)。
- 1と2を繰り返します。
*足を前後に開いて跳べばチョキになります。
スキーヤー跳び

- ます両足前跳びをします。
- 次になわが目の前を通って下に来たら、体のバランスを保ちながら両足を右に動かして跳びます。
- 次になわが下に来たら、両足を左に動かして跳びます。
両足後ろ跳び

- なわを大きく後ろに回し、なわが頭上に来たら跳ぶ準備をします。
- なわが足元まで来たら両足を揃えてなわを跳び越え、つま先で着地。
- 同じリズムでなわを回し、跳び越えます。
足の痛い人におすすめ

跳ばないなわとびサイドスイング
なわで八の字を描く運動。両腕を体の右側へもってきて、後方から前へとなわを回します。なわが頭上にきたら両腕を左側へと動かし、体の横で後方から前へとなわを回し、これを繰り返します。
なわを使わないエアなわとび
エアなわとびなら自宅でもできます。集合住宅ではマットなどを敷いて振動対策を。30秒で60~ 70回の跳躍を1セットとし、3~5セットから始めて。ペットボトルを持っ て行うのもおすすめ。

なわとびの後はストレッチ
筋肉痛を和らげたり、翌日に疲労を残さないためにストレッチを忘れずに!
お尻のストレッチ

[立った状態で]
右足を曲げて左足のひざ上に置き、右手は右足のひざ、左手は右足首にのせて下に押します。
[寝た状態で]
石足を曲げて左足のひざ上に置き、両手で左足の太ももを抱えて引きます。反対側も同様に。
太もも、ふくらはぎのマッサージ

[太もも]
手の平全体を太ももに当て、ひざ に向かってやさしくさすります。
[ふくらはぎ]
ふくらは ぎの前側に親指が来 るようにしてふくらはぎを包み、足首からひざに向かって骨に沿ってさすります。