おいしい冷凍術を身に付けよう

冷凍の基礎知識を押さえたら、いよいよ実践です。ただ冷凍するだけではなく、おいしさがアップする冷凍術や裏技を身につけましょう。

上手に冷凍保存しよう

基本的な知識とちょっとしたコツを覚えて、冷凍保存の達人に。食事作りがグンと楽に、簡単になるので、忙しい現代人にはピッタリです。

これが冷凍のメリットです

食材の冷凍には驚くほどのメリットがあります。

1. 劣化しにくく、おいしく長持ち

劣化しにくくおいしく長持ち

微生物による腐敗や、酸化などによる栄養素、色、昧の変化などが抑えられ、おいしく長持ちします。

2. まとめ買いで食費節約

まとめ買いで食費節約

安いときにまとめ買いをして 冷凍保存すれば、食費の節約に。カット野菜より丸こと買ったほうがお得。

3. 料理の時短

料理の時短

細胞が壊れるので火が通りやすくなり、味も染み込みやすくなるので調理時間が短縮されます。

4. 電気代の節約

電気代の節約

冷蔵室は詰めすぎると 冷気 が循環しにくくなりますが、 冷凍室はたくさん詰まっているほうが電気代の節約に。

5. 地球や人にやさしい

地球や人にやさしい

小分け冷凍することで必要量だけ調理でき、フードロスの削減に。包丁やまな板を海う回数も減って節水にも。

6. うま味や栄養価がアップ

うま味や栄養価がアップ

冷凍することでうま味や栄養価が高まる食材があります。また、レモンの ように苦味が出にくくなるものも。

基本の冷凍のコツ

おいしさをキープして冷凍するためのポイントをマスターしよう!

おいしい瞬間を閉じ込める

おいしい瞬間を閉じ込める

新鮮な食材を新鮮なうちに冷凍するのが基本。肉や魚介類は買ってきたその日に、野菜もできるだけ早く冷凍を。

水気を切る

水気を切る

水気が残っていると霜がつきやすくなり、味が落ちてしまう原因に。水分で食材同士がくつついてしまうことも。

空気を抜く

空気を抜く

空気に触れると酸化や乾燥の原因に。冷凍用保存袋に入れたり、ラップに包んだりするときは、空気を抜いて。

食材を薄く平らに

空気を抜く

食材をできるだけ薄く平らにすることで、素早く冷凍でき、劣化しにくくなります。解凍もスムーズに。

使いやすい形や量で

使いやすい形や量で

食材を小分けしておくと使う分だけ解凍できます。使いやすい形にしておけば、解凍後に切る手間が省けます。

使い忘れを防ぐ

使い忘れを防ぐ

保存期間の目安は約1カ月。冷凍用保存袋などに日付や内容を書いておくと、使い忘れを防止できます。

かた茄でがよいときも

かた茄でがよいときも

ブロッコリーなどの鮮やかな色をキープしたいときはかた茄でし、冷まして冷凍。解凍後はそのままサラダなどに。

冷凍室ではなぜ食材が 長持ちするの?

冷凍室ではなぜ食材が 長持ちするの?

家庭用の冷凍室 の温度は一 18℃ くらい。この環境下では細菌や酵 素の活動がストッ プし、酸化の速度 も低下するため、 食材が変質しにく くなります。

おいしさアップの下味冷凍術

冷凍中に味がじっくりしみて、うま味アップ。肉や魚なら約2カ月間保存可能。

冷凍前に下味をつける

食材と調味料を一緒に冷凍用保存袋に入れ、よくもんで味を なじませます。空気を抜いて薄く平らな状態 で冷凍。

やってみよう!鮭のヨーグルト漬け

鮭のヨーグルト漬け

生鮭2切れ、プレーンヨーグルト大さじ3、味噌大さじ2を冷 凍用保存袋に入れ、なじませます。食べるときは、解凍した 生鮭の表面の漬けダレを拭き 取ってから中火で焼きます。

鮭のヨーグルト漬け

冷凍保存袋は使い回しをしない

しっかり洗ったつもりでも、袋 の四隅に油や漬け汁などが 残っていることがあり、次に使 用するまでの間に菌が繁殖す る可能性があります。

食感チェンジ冷凍調理術

冷凍すると食感が変わる食材があります。いつもと違う食感を楽しんで。

豆腐は肉のような食感に

豆腐は肉のような 食感に

パックのまま冷凍。解凍して水気を絞ってか ら、用途に合わ せて切ります。
大豆ミートのように、肉のような食感に。

生卵の黄身が超濃厚に

生卵の黄身が 超濃厚に

卵は殻付きのままラップに包み 冷凍用保存袋に入れて冷凍。解凍すると、白身は元に戻り黄身は弾力のある食感になり味が 濃厚に。

こんにゃく・しらたきは弾力+味しみがアップ

こんにゃく・しらたきは弾力+味しみがアップ

袋のまま、または使いやすい 大きさにカットして冷凍。水分が抜けて弾力 が増し、味も染み込みやすくな ります。

プリンや野菜ジュースはアイスのように

プリンや野菜ジュースはアイスのように

プリンは容器のまま、野菜ジュースはパックのまま冷凍。凍ったままだとアイスのように、半解凍するとシャベットのような食感に。

感動の裏技冷凍術

冷凍の奥深さが実感できる、とっておきの裏技冷凍術があります。

面倒な皮むきが手でできる!

面倒な皮剥きが手でできる!

トマトや里芋、ブドウなどは、凍ったまま水をかけるとするりと皮がむけます。タラコの薄皮は、凍った状態だと簡単にむけます。

ピサ用チーズには片栗粉

ピサ用チーズには片栗粉

ピザ用チ ズは表面に水分があるので、そのまま冷凍するとくつついてしまいます。lOOgに対し小さじ1の片栗粉をまぶして冷凍すればパラバラに。

飲みき巾ない牛乳は冷凍を

飲みき巾ない牛乳は冷凍を

旅行などで長く家を空けるときに牛乳が残っていたら、製氷皿に入れてフタかラップをして冷凍。凍ったままコーヒーやシチューに使えます。

アルミ箔でパンがフワフワに!

アルミ箔でパンがフワフワに!

1枚ずつアルミ箔に包むか、アルミタイプの冷凍用保存袋に入れて冷凍。水分がキ—プされ、ふっくら焼き立てのおいしさが再現されます。

長芋や山芋で手のかゆみなし

長芋や山芋で手のかゆみなし

皮をむいて冷凍すれば、そのまますりおろせます。冷凍すると、かゆみの原因であるシュウ酸カルシウムの結晶が壊れるため、手がかゆくなりません。

使いきれないものは冷凍

使いきれないものは冷凍

麺つゆは製氷皿に入れてフタかラップをして、柚子こしょうは瓶ごと冷凍を。 残ったポテトチップスは袋こと、または 冷凍用保存袋に入れて冷凍できます。

カレーやミートソースは牛乳パックで

カレーやミートソースは牛乳パックで

カレーやミートソースは保存容器に色
がつくことが。牛乳パックに入れて冷
凍すると便利です。カレーのジャガイ
モはつぶしてから冷凍を。

たけのこは茄でた後 だし汁を加えて冷凍

たけのこは茄でた後 だし汁を加えて冷凍

茄でてアク抜きをします。そのまま冷
凍するとスが入るので、だし汁と一緒
に冷凍保存袋に。だし汁ごとたけのこ
こ飯や煮物に使えます。

市販の冷凍食材活用術

市販の冷凍食材は大量生産されているので価格が安定。

フライドボテトで肉じやが、ポテサラ

加熱済みなので、生のじゃが いもを使うより早く肉じゃが ができます。電子レンジで解 凍し、熱いうちにつぶせばポテトサラダに使えます。

フライドボテトで肉じやが、ポテサラ

焼きおにぎりでライスピザ

焼きおにぎりを電子レンジ で解凍し、縦半分に切って広げ、ピーマンやチーズを乗せてライスピザに。しらすやネギをのせれば和風に。

焼きおにぎりでライスピザ

冷凍食品を常備して災害時の備えに

日ごろ食べているものを 冷凍しておけば、災害時に も普段の食事に近いもの が食べられます。ペットボ トルの水も冷凍して災害時の備えに。

冷蔵室解凍

冷蔵室解凍

時間 をかけて ゆっくり解凍。ドリップ*が少なく、味が落ちにくくなります。多くの食材に向いています。調理の時間に合わせて冷蔵室へ。

氷水解凍

氷水解凍

凍る温度に近い 氷水で解凍する と、食材へのダメージが少なく、 おいしさをキ ー プ。冷蔵室解凍よ り短時間で解凍できます。生の肉や魚などに。

冷凍で栄養やうま味がアップ!

解凍の仕方いろいろ

食材や用途に合わせて解凍します。なお、再冷凍はおすすめできません。

電子レンジ・蒸し器解凍

電子レンジ・蒸し器解凍

短時間で解凍したいときにおススメ。 肉はラップを外してから 解凍。ご飯や肉まんなどは、蒸気で加熱する蒸し器解凍でふっくら。

常温解凍

常温解凍

野菜や和菓子などは冷凍室から出した状態で自然解凍し、そのまま食べられます。調理する場合は速やかに。肉や魚介類には不向きです。

凍ったまま食べる

凍ったまま食べる

果物や薬味などは、凍ったまま食べたり、トッピングに使ったりできます。果物は半解凍にすればシャーベットのような食感を楽しめます。

だし解凍

だし解凍

食材の入った冷凍用保存袋にだし汁やマリネ液などを入れて常温解凍。例えば 冷凍した小松菜にだし汁を入れて解凍すればお浸しに。

加執解凍

加執解凍

トマトや玉ネギ、ひき肉などは凍ったまま焼く、 炒める、煮るなど、加熱調理しながら解凍できます。火の通りが早いとい うメリットも。

保冷剤は消臭剤に

冷凍するとカチカチになるタイプの保冷剤の中身は高吸水性ポリマー。
においも吸藩しやすいので消臭剤として色々なところで利用できます。
※小さい子どもの手が届かない所に置きましょう。

保冷剤は消臭剤に